伊達家の家訓

伊達家の家訓

独眼竜で知られる「伊達政宗」ですが、伊達家の家訓をご存じでしょうか?

「伊達政宗」は、豊臣秀吉の臣下となり粋な猛将として名を馳せた仙台城を築城した戦国武将です。
眼帯を付けた隻眼(片目)の像が有名ですが幼少期の天然痘が原因ともいわれています。
「独眼竜政宗」ともいわれる所以です。

仙台でインプラント学会が開催されたとき、仙台城址にある伊達政宗の銅像を初めてみました。
邪魔なくらい大きな三日月をあしらった兜を付けた勇ましい銅像です。

さてこの伊達家の家訓(遺訓)をご存じでしょうか?

1.仁に過ぐれば弱くなる。
2.義に過ぐれば固くなる。
3.礼に過ぐれば諂い(へつらい)となる。
4.智に過ぐれば嘘を吐く。
5.信に過ぐれば損をする。
6.気ながく心おだやかにして、よろづに倹約を用い金銀を備ふべし。
7.倹約の仕方は不自由なるを忍ぶにあり。
8.この世に客来たと思へば何の苦しみもなし。
9.朝夕の食事はうまからずとも褒めて食うべし。
10.元来客の身になれば好き嫌いは申されまじ。
11.今日行くをおくり、子孫兄弟によく挨拶して、娑婆の御暇(おいとま)申すがよい。

現代訳すると

人を思いやる気持ちが強くなると意見も言えなくなる。
正道ばかり強調すると頑固になる。
礼も過ぎれば無礼になる。
弁が立つ人は、ともすると騙そうとする。
信用し過ぎると裏切られる。
世の中、ほどほどが一番いい

と、こんな感じらしいです。
すなわち中庸を重んじる武将だったらしいのですが、その人生はめちゃくちゃです。
実の母からは毒殺をはかられ、実の弟を殺害し、更に実の父も殺してしまうことになる
ハチャメチャ人生。そのためか、「ご飯をのこすな、人はもてなせ、兄弟仲よく…」
などの遺訓を、反省を込めて残したのかもしれません。

「人生は ほどほど…」
心に沁みます