即時型アレルギーと遅延型アレルギー
歯科領域で問題となるアレルギー反応についてお話します。
同じアレルギーでも4種類のタイプがあります。
「Ⅰ型(即時型)」・「Ⅱ型」・「Ⅲ型」・「Ⅳ型(遅延型)」の4種類です。
「Ⅰ型(即時型)アレルギー」
ラテックスアレルギー・花粉症・アトピー性皮膚炎・ぜん息・食物アレルギー・などは原因物質の侵入によって数分から30分程度で症状がらわれます。
麻酔や蜂に刺されたときなどのアナフィラキシーといわれる反応も即時型に分類されます。
キシロカインアレルギー(麻酔)やペニシリンアレルギー(薬剤)、ラテックスアレルギー(天然ゴム)等は特に注意が必要です。
食物アレルギーでは「卵」「小麦」「牛乳」など多く報告されています。
「Ⅱ型アレルギー」
自分の細胞が原因物質と認識され、攻撃を受けることで症状が出るタイプです。
自己免疫性溶血性貧血・橋本病・バセドウ病などはこのタイプのアレルギーに分類されます。
「Ⅲ型(アルサス型)アレルギー」
原因物質と抗体が結合してできた「免疫複合体」が引き起こすタイプのアレルギーです。
糸球体腎炎・リウマチ性関節炎などはこのタイプに分類されます。
「Ⅳ型(遅延型アレルギー)」
歯科でよくみられる金属アレルギーや薬剤アレルギー(薬疹)はこのタイプに分類されます。抗体ではなくT細胞(リンパ球の一種)が関与するアレルギー反応です。原因物質に触れてから数日後に症状が現れるタイプで、当医院でも経験しています。
植物のうるしによるかぶれもこのタイプになります。
反応が出るまでに24〜72時間程度かかります。
歯科領域では「Ⅰ型(即時型)アレルギー」と「Ⅳ型(遅延型アレルギー)」がよく問題になります。アレルギー持ちの患者さんもご自分のアレルギータイプについてよく知っておく必要があります。医療機関に受診する際は必ずアレルギーの既往を申告して下さい。