院内ラボ(歯科技工所)のある関歯科医院
当医院の2階には院内ラボである歯科技工所があります。
院内ラボでは国家資格を持つ歯科技工士さんが、当医院の歯冠補綴(しかんほてつ)を作製しております。
歯冠補綴とは、歯の欠けた部位や、虫歯で削った部位などに詰めたりかぶせたりするモノのことです。
院内ラボを併設した理由
歯科技工士さんは、どちらかというと歯医者を助ける影の存在のイメージがあります。
型を採るところまでは歯医者の仕事で、あとは技工士さんの腕に任せきりの感があります。
私は開業当時から、歯医者と歯科技工士の距離感(外注で任せきりの技工)に疑問を感じていました。
患者様にとってより良い治療を行うには、歯医者と歯科技工士がすぐに意思疎通できる環境がとても重要だと思うのです。
『ここはこうしたほうがいいかな?』
『ここはこうできないかな?』
『嚙み合わせの位置は大丈夫ですか?』
など、院内技工ならではの細かな相談がタイムリーにできます。
患者さんと歯科技工士、歯科医が顔の見える環境にいる方が、より良い技工物が作製できると思いませんか?
実際に作成する形や色などを作成者(歯科技工士)本人が確認したほうが良いはずですし、技工士さんのモチベーションも上がるのです。
この『ワンチームで治療する』ことこそ、当医院が院内技工所を併設した理由なのです。
院内ラボ(歯科技工士/石井 博文)
当医院の院内ラボにはインプラント専門技工士の資格(JSOIインプラント専門歯科技工士登録番号 第158号)を持つ、専任の歯科技工士さんが常駐しています。
歯科技工士の他に、インプラント専門技工士の資格を合わせて持っている技工士さんはかなり少数です。
入れ歯以外の歯科技工(保険の冠・セラミック冠・インレ―・アンレー・インプラント技工等)は当医院で作製します。
義歯(入れ歯)については外注技工に依頼していますが、緊急の修理や仮歯については当医院の技工士が早急に対処しています。
歯科技工士という仕事
歯科技工士は歯科技工士国家試験に合格した者に対する厚生労働大臣免許の国家資格です。
歯科技工士養成機関は、2000年ごろまでは70校を超えていましたが志願者の減少に伴い、現在ではだいぶ減少しているようです。
専門学校と4年制大学、2年制の短期大学があり2~4年をかけて、歯科技工士として必要となる知識・技術を学び、高度な歯科技工技術を身につけ歯科臨床に従事します。
昨今の歯科医療の向上と医業の分業化に伴い、非常に高度な精密技工技術と審美感覚が求められています。また、入れ歯やブリッジ冠といった口腔関連のものだけでなく、顎顔面領域において義眼や耳介などを製作する専門の技工士さんもいます。
今は、スキャナーで読み込んでパソコン上で歯を設計し、削り出しで歯を作るCAD_CAM(キャドカム冠)も多く普及し、技工士さんには削り出し機械の取り扱いや、パソコン上での熟練した操作も求められます。
更に、インプラント技工や矯正技工など、様々な専門技術が求められているのが歯科技工士という仕事です。
歯科技工といっても様々な専門分野があり、専門性に特化した技工所もたくさんあります。
クラウン・ブリッジ専門/セラミック専門/CAD_CAM専門/保険義歯専門/金属床義歯専門/矯正技工専門/インプラント専門/……等々といった分野があります。
全部がこなせる技工士さんはいないと思いますが、知識は必要です。
仮にすべての技工を行おうとすると、かなりの設備投資と人員(専門技工士)が必要になります。
このことが、歯科技工所が大型化する要因で、一人技工所が減少する原因にもなっています。
当医院の技工士も全ての技工が出来るわけではなく、クラウン・ブリッジ/セラミック/インプラント技工に特化して歯科技工製作を行っています。
参考CAD/CAM冠 製作の流れ
歯型の模型を歯科技工所のCAD/CAM装置でスキャンして冠のデザインを設計します。
データに従ってセラミックレジンのブロックから冠の削り出しを行います。
完成です。