「十三夜」と樋口一葉
「十五夜」のブログを載せついでにもう一つ、「十三夜」を知ってますか?
「十三夜(じゅうさんや)」は、樋口一葉(五千円札の人)の短編小説として有名だ。
お金持ちに嫁いだ主人公の「お関」は、うまくいかずに実家に戻る。親に諭され、しかたなく嫁ぎ先に戻るときの車夫が 偶然元恋人だったという話だ。
そのシュチエーションが晩秋の「十三夜」。すれ違う男女の想いを題材にした明治小説だ。
確かに表題が「十五夜」の満月では合わない。表題を「十三夜」にするとは流石だ。
「十三夜」は旧暦の9月13日で、現代の暦では年ごとに異なり今年は10月8日だ。(カレンダーに書いてある)
「十三夜」は「後の月(のちのつき)」とも呼ばれ、十五夜に次いで美しいとされている。
平安時代に書かれた作者不明の「竹取物語」(かぐや姫)の一節に
「竹取の よすがの林 後の月(のちのつき)」というのがある。
よすがとは「縁(えん)」と書いて「よすが」と読ませる。
ゆかりのある家(すみか)のことを指す。
かぐや姫が帰った「後の月(のちのつき)」が美しく見えたのか、悲しく映ったのか…
姫(娘)を月に帰す(嫁に出す)翁の心境を込めたのだろう…
満月も良いが、少々欠け落ちた姿も美しくも物悲しいという 粋で雅な作者の感性なのか…
美しい月は満月だけではないのだ!!