目黒雅叙園の「百段雛」
目黒雅叙園東京の東京都指定有形文化財である「百段階段」では、ひな祭りの時期いつも全国の雛人形が集められ展示される「百段ひな祭り」と呼ばれる展示がなされていた。
しかし、コロナの時期からこの催し物は開催されていないようだ。
宮廷や公家を中心にした人形遊びから お雛様が生まれ、それが江戸に伝わり、武家の生活や庶民の暮らしに深く浸透していった「日本文化を感じられる展示」が、しばらく開催できていないのは残念でならない。
現在は、工芸や華やかなつるし飾りの展示があるだけの、だいぶ縮小した展示になっているようだ。
来年、展示されるのを是非とも期待したい。
目黒雅叙園東京の東京都指定有形文化財である「百段階段」は実は99段で終わっている。
これには昔から「奇数は陽数といわれ、縁起の良い数」だからとも言われる。
3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕、「七五三」、「三々九度」など確かに喜ばしい時には奇数が使われるのもそのせいかもしれない。
また、完璧な数字よりも未完成な数字に発展性や美学を感じる日本独特の感性もあるとも言われる。。
十五夜の満月よりも十三夜や十六夜(いざよい)の少しだけ欠け落ちた姿の月に風情を感じる日本文化は独特なのかもしれない。
是非、時間があれば「百段階段」と「百段雛」をご覧いただきたい。