日本最古の入れ歯

日本最古の入れ歯は、平安時代のものと言われています。
その入れ歯は「木床義歯(もくしょうぎし)」と呼ばれるもので、全て「木(つげの木)」でできていました。
歯の部分も歯肉の部分も全部「木」でできていました。
もしかしたら「お歯黒」という風習は木の入れ歯をカモフラージュするために生じたものかもしれません。
入れ歯を入れていたのは、天文7年(1538年)に74歳で亡くなった、和歌山市の願成寺(がんじょうじ)の仏姫(ほとけひめ)という尼僧だったといわれています。

当時から、このような彫刻技術があったとは驚きです。
どのように合わせて調整したかは定かではありませんが、古来から皆むし歯には苦労していたのかもしれません。
ちなみに、江戸時代には咬合面(噛む面)には鋲(びょう)が打たれ、より機能的に義歯の形態が進化してきたようです。
「入れ歯師」なる職業も定着されてきたと言われています。

ヨーロッパやアメリカでも独自の形態で入れ歯が進化してきたようです。
アメリカ初代大統領ジョージワシントン(1732~1799)は大統領就任当時既に入れ歯を使用していたといいます。上の歯は鹿の牙を、下の歯は自分の歯を利用したそうです。