江戸時代の入れ歯

食通で知られる徳川家康が晩年入れ歯をしていたことは歴史書にも記載があります。
江戸時代、日本の歯科医療を支えていたのは仏像などの緻密な彫刻技術を持った仏師達でした。
彼らが殿様や身分の高い人の求めに応じて、つげの木を彫刻して入れ歯を作っていたのです。
つげの木は緻密で硬く、抗菌作用もある当時としては入れ歯に最適な素材だったようですが、その使い心地はどうだったのでしょう。
痛くはなかったのでしょうか?
江戸時代、木の入れ歯は徳川家康の他に『南総里見八犬伝』を著した滝澤馬琴、『解体新書』で有名な蘭学医の杉田玄白、日本のダヴィンチとも言われる発明家、平賀源内なども使っていたそうです。昔の人も「歯」には苦労していたようです。