フレイルと歯科

以前にもフレイルについて触れたが、このコロナ禍もう一度再考したい。
「フレイル」とは直訳すると「虚弱」という意味で、健康な状態から要介護に向かう途中の中間的な状態のことを指し、この時期の医療介入によって健全な状態に戻せる可能性が大きいとされる。

現在コロナ禍のため高齢者の病院受診控えの報告をよく耳にするが、「フレイル」状態を悪化させるのではないかと心配だ。早期の医療介入ができなければ要介護に徐々に進んでしまう。

特に口腔内環境は「フレイル」に直結する。咬合の回復、歯周病予防は「フレイル」予防には最も重要だと思っている。
特に歯周病に関しては本人の自覚症状がなく進行する。突然咬合に耐えられなくなって一気に咬合崩壊が進んでしまうのだ。

内科の主治医で定期検診するのと同じように歯科医院でも定期検診をお勧めしたい。ポリファーマシー(多くの薬剤が必要な状態)で介護状態になると治療の選択肢も限られてしまうからだ。