蝉時雨(せみしぐれ)
ここにきて急に蝉が騒がしい。「蝉時雨(せみしぐれ)」は夏の季語だ。
一斉にセミが鳴くのを雨音に例えた日本ならではの美しく雅な言葉だ。
「時雨(しぐれ)」は「晩秋や冬に突然降ったりやんだりする雨」のことで、俳句では冬の季語だが、「蝉」が付くと夏になる。
因みに「空蝉(うつせみ)」は蝉の抜け殻のことで晩夏を表す季語である。
「空蝉(うつせみ)」と言えば「源氏物語」。
光源氏も17歳の夏「空蝉(うつせみ)」に想いを寄せるが叶わぬ夏の夜の夢と終る。
なんと雅な言葉だろう。。。
さて、蝉の一生は「7年7日程度 」という。幼虫7年と成虫7日で7年7日というらしい。
すなわち蝉の一生のほとんどが暗い土の中ということだ。中には10年以上 地下生活を送るものもいるらしい。
ちなみに鳴き声を発することができるのはオスだけ。
地上デビューしてからは伴侶を探し子孫を残すことが重大な使命となる。
超短い地上生活の間にこの使命を果たさなければいけない。
セミの鳴き声が悲しくも聞こえるのはこのためだろうか?