夏も近づく八十八夜

立春から数えて八十八日目を「八十八夜」という。
今年(2023年)の「八十八夜」5月2日(火)だそうだ。

『夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る・・・』という歌があるが、これが茶摘みの歌だと知っている人は少ないかもしれない。初夏に見られる茶摘みの光景を歌った「茶摘み」という文部省唱歌である。

所沢は狭山茶で有名なお茶の産地だから、地元でこの茶摘み歌を知らない人はモグリと言える。

「八十八夜」に摘んだお茶は、新芽の成分ゆえに「病気にならずに健康で長生きできる」と昔から言われている。
さらに、「八十八夜」ごろに摘むお茶は、「一芯二葉(いっしんによう)」といって、その年に育った新芽だけで作るため風味が格段に違うらしい。

八十八という数字は中途半端だが、一つにまとめると「米(こめ)」という漢字になる。
つまり、茶摘みと同じように田植え(米作り)などの農作業がスタートする時期に重なるという。
「八十八夜」は日本の風物詩とリンクした粋(いき)な言葉なのだ。

『色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす』という言葉もある。
ぜひ、「八十八夜」の頃に摘んだ「狭山茶」でとどめを刺されていただきたい。