女性の美しさ

「纏足(てんそく)」という奇習を聞いたことがるだろうか?
漢の時代あたりから女性を中心に行われていた足を小さくする慣習で、小さな足の女性ほど美しいとされていた。小さな時期から足の指を内側に曲げて布で巻いて固定し、成長を抑制または変形させる風習が昔の中国にあったのだ。
「三寸金蓮(さんずんきんれん)」という言葉があるが、「纏足(てんそく)」の美しさを表現した言葉だそうだ。三寸は約10センチメートル。3歳児以下のサイズに成長抑制するこの奇習は恐ろしい。
蓮の花が泥から出てきた時も泥に染まらない様子にたとえ、纏足は女性の美しさの基準となっていたという。

「明眸皓歯(めいぼうこうし)」もまた美人の形容句で、楊貴妃の美しさを指した言葉だ。目元ぱっちりで白い歯の楊貴妃に溺れた玄宗は政治不信を招き 結果 楊貴妃は殺されてしまった。「美人薄命」という言葉もうなづける。
「仙姿玉質(せんしぎょくしつ)」も並はずれた美人の形容句だ。 高尚優雅で宝玉のようになめらか美肌をあらわした美人をこのように表現する。

また、首が長いことが美人の条件という風潮もある。
首が長いと実際の身長より高く見え すなわちスタイルがよく見えるという。
タイやミャンマーなどの少数民族である首長族と言われている女性達は首が長いほど美しいとされている文化があるそうだ。5歳から首輪をはめだしてだんだん増やしていくらしい。

日本でも首長美人を美デコルテと形容するが、時代や場所が変われば美しさの基準もかわるのだ。
「美白の女王」として一世を風靡した「鈴木その子さん」の美しさの基準は不自然なくらいの白さだった。

考えてみると「歯科矯正」も矯正器具を使い歯並びや顎の骨格を変え、口元の美を追求するのだから「纏足(てんそく)」「首輪で首を長くする風潮」をむやみに批判できないと思うのだが…

将来は遺伝子操作の飲み薬1錠で「歯科矯正」が完了する時代が来るかもしれない…