６月から施行される診療報酬改定

患者さんはあまり知らないと思うが2024年6月から「診療報酬改定」が行われる。
患者さんにとっては医療機関を受診したときに支払う医療費が多少変わる（少し増える？）のだ。
しかし,あえて言わせてもらうが この改正は今までの改正の中で最悪だと思う。

複雑で細分化しすぎて実際の診療の実態に合わないのだ。
更に、改定された保険点数を請求するにはそれぞれ申請が必要だという。
申請が必要な項目は30を超える。
しかも、算定条件が厳しく改正の主旨もよくわからない。
歯科医師会（私は会員ではないが）の幹部クラスの友人に聞いてもよくわからないという返答が返ってくる。

通常診療の保険点数は引き下げ、診療実態に合わないところで増点しているのが本当に解せない。
実診療の点数ではなく、施設基準や医療DX、外来診療安全対策加算1、外来感染対策加算1、外来感染対策加算2、有床義歯咀嚼検査1のイ、有床義歯咀嚼検査1のロ、口腔リハビリテーション料2、歯科外来在宅ベースアップ評価料1、口腔細菌定量検査…等 一部の改訂項目を列記したが、このような項目ばかりなのだ…。

臨床上本当に必要な診療点数の改訂は置き去りだ。

減税と見せかけて結果増税となる政府施策と一緒で、現場を知らない役人が作成した愚策としか言いようがない改定だと感じる。診療とは別に、算定条件を満たす機材だけを置いて、せこく点数を稼ぐ歯科医が増えないことを願いたい。

新点数の説明会の動画配信も見たが、頭が悪いせいか 一度では理解できない。

お役所トップのヒエラルキー歯科医療社会では、末端の一歯科医の声は届かないし、届いても変わることはない。
60年代の学生運動と一緒で、虚しさだけが残る現実の中で悶々と治療せざるを得ないのはストレスが溜まる。
日本の誇る保険医療制度の崩壊の始まりかもしれない…