空蝉(うつせみ)
蝉の鳴き声が弱くなってきた。「空蝉」は夏の終わりを表す季語である。
本来「空蝉(うつせみ)」は蝉の抜け殻のことであるが、紫式部は光源氏の愛した既婚女性への叶わぬ想いを蝉の抜け殻に例えた。
平安朝の色男として浮き名を馳せた光源氏が、一夜を共にした彼女に初めて振られてしまう。彼女が忘れられず付きまとい、今で言うストーカー行為におよぶが、彼女は光源氏の想いに応えずに着物を脱ぎ捨て去っていったのだ。その衣が、まさに蝉の抜け殻のようだったという儚い想いの物語が源氏物語の「空蝉(うつせみ)」の巻である。
実は空蝉も光源氏へ想いを寄せていながら身を引いたということだから、現世の叶わぬ想いやすれ違い、儚い人生が集約されているラブストーリーでもある。
成就しない想いを空蝉に例えた紫式部の「源氏物語」は平安朝の栄華とその翳りを描く傑作である。
夏の終わりにぜひおすすめです。

矯正をお考えの方はこちら