加齢で起こる口腔内の変化

高齢化社会になり、介護保険や訪問診療が定着化してきました。
高齢者の口腔内の加齢による変化をご説明致します。

① 唾液の分泌量の減少
高齢化に伴い唾液の量が減ってきます。唾液はとても重要な働きがあります。唾液は口腔粘膜を保護し、口腔内の汚れを洗い流し、抗菌・潤滑・保護などの重要な働きがあります。
高齢になるとどうしても唾液の分泌量が減ってきます。また、薬剤(降圧剤、抗うつ剤、花粉症の薬など)の服用によっても唾液分泌が減ってしまいます。
唾液が減ってしまうと口腔内の洗浄作用が行き届かなくなり虫歯を誘発してしまいます。

② 歯肉の退縮
高齢化に伴い、歯を支えている骨(歯槽骨)が痩せてきて、それに伴って歯肉も下がってきてしまいます。
歯肉が下がった場所は柔らかいため(セメント質・象牙質)くさび状に削れて虫歯になりやすくなってしまいます。
また、歯肉の退縮とともに歯槽膿漏が悪化してしまう危険もでてきます。

③ 口腔内の環境悪化
唾液が少なくなり、自浄作用が低下し、歯肉が痩せてくることに加え、「歯磨きがよくできない」「入れ歯の洗浄が不十分」などの条件が重なると一気に口腔内環境は悪化してしまいます。

このように口腔内は複数の要因が重なり合って重篤化してしまいます。
高齢になるほど口腔内のメンテナンスは重要です。
かかりつけの歯医者さんで定期的なクリーニング等のメンテナンスで受診されることをお勧めいたします。